重視すべきポイント①機能性とデザイン性の両立
家づくりにおいて重視すべきポイントはたくさんありますが、その家に住む人の居心地の良さに影響する要素と言えば、風が抜け光が入る、夏には涼しく冬には暖かい、要するに「家の性能」の部分になりますね。しかし、こういった住宅の性能面に関して、専門知識を持たない我々がアイディアを出すのは不可能です。
例えば季節ごとに照射角度が微妙に変化する太陽の動きを読んで窓の位置や大きさを決定する、といった設計に係るところは、プロの知識と経験なしには考えられません。つまり、依頼先の工務店の提案力が一番ものをいう部分になります。家の外観やコストに重きを置き過ぎない、住みやすさも十分に考慮して提案してくれる工務店を見極める必要があります。
性能面が快適である中で、更に自分好みにデザインされたお気に入りの空間に居られたら、居心地の良さはこの上ないものになりますね。もっとも重要なのは高い性能とデザイン性をいかにして両立できるか、というところにあるのです。
機能性とデザイン性の両立例を、いくつかご紹介したいと思います。
オシャレな吹き抜けを取り入れたいなら断熱性能を考えておくことが大切
オシャレな住宅デザインの代表とも言える吹き抜けは、「暖房効率が悪い」というのはよく聞く話で、それを理由に導入を断念する人も少なくありません。これを防ぐために「シーリングファン」の取り付けを勧める施工業者は多いですが、実際にはそれだけでは不十分なようです。
なぜなら、「吹き抜けがあると部屋が温まらない」根本的な原因は、もちろん「暖気が上部に抜けてしまうから」というのもひとつではありますが、最終的には「暖まった空気が冷えてしまっている」ことが問題だからです。
吹き抜けを取り入れたいと思ったら、まずはペアガラスや断熱サッシ、内窓を取り入れるなど、断熱性能を高めることで、暖房効率の悪さを軽減するための対策を先に検討しましょう。
特に気密・断熱における「窓」の性能差は大変大きいため、吹き抜け周辺や二階廊下の窓はグレードの高いものを採用するなどの工夫が不可欠です。
また、暖房効率の他にも「夜になると暗い」というのもよく挙げられる吹き抜けのデメリットのひとつです。トップライトを取り付けることで軽減できるケースもありますが、こうしたデメリットを踏まえて、そもそも本当に吹き抜けが必要か、信頼できる工務店などによく相談し、考え直してみるのもいいでしょう。
憧れのアイランドキッチンにするなら収納を考えておくことが大切
憧れのアイランドキッチンにするからには、キッチントップにキッチンツールや鍋などをごちゃごちゃ置かず、スッキリしたインテリアにこだわりたいものですね。このとき必ず考えなければならないのが「キッチン収納」です。
キッチングッズはその家々により様々で、また家族が増えたり環境が変わることで必要なもの・不要なものも変わっていきますので、実際に調理器具や調味料などをすべて持ち出して、何をどこにしまうのがいちばん勝手が良いのかを実演しながらサイズを決めてもらうのがいいでしょう。この際、将来増えるであろう食器や調理家電のことも必ず想定して決めるようにしましょう。
ただし、アイランドキッチンには「臭いが充満しやすい」というデメリットがあることも忘れてはいけません。キッチンのあるフロアだけに限らず、各フロアの平面図を重ね、上下間の臭いの伝わり方も想定し、部分的にでも壁を作るなどの工夫を取り入れましょう。
いずれにしても、自分の思い描く理想のスタイルというものを親身になってじっくりと聞いてくれる親切・丁寧な工務店を選定することで形にすることができるでしょう。
重視すべきポイント②予算
家を建てる際に重視すべき最も大切なポイントのひとつと言えば、やはりしっかりとした資金計画です。せっかく理想のマイホームを購入する夢が叶っても、家を建てたためにその後の生活に節約や我慢が強いられるのでは台無しです。
資金計画は、家づくりから引っ越しまで、全てに掛かる費用の目安を知るところから始まります。忘れてはならないのが、建築費の他にかかってくる「思いがけない出費」の部分ですね。引っ越し費用だけに限らず、家具や家電、急きょ必要になるものなどを想定し余裕をもって見積もっておくことが大切です。
最適な住宅ローンを組むには、事前に将来のライフプランを立てておくことも重要です。例えばお子様の教育費や定年後の生活、大きな家電や車の乗り換えといった一生涯の家計の収支をあらかじめリストアップしておくことで無理のない返済計画が見えてくるのです。
現在、住宅ローンの返済プランは3000種類以上もあると言われています。 どれを選ぶかによって月々の返済金額は大きく上下しますので、ご家庭に見合った住宅ローンを吟味する必要があります。
重視すべきポイント③土地
土地選びにはやり直しがききません。一度その土地に決めると、駅やスーパー、公園までの距離、近隣の様子や交通量、そして日当たりなど、そこでの暮らしのすべてが決定されることになります。
そんな重大な決定となれば、できるだけ多くの魅力的な選択肢の中から選びたいところです。しかし、インターネットや住宅雑誌でこれだけ多くの情報が出回るようになった今でも、いい土地の情報を手にするのは難しいというのが現状です。と言うのも、不動産業者は自分たちのところで売りたいと思っている土地や住宅については、同業者に知られないよう情報を公開しません。その結果、本当にいい土地の情報は世の中には出回らないという仕組みになってしまっているのです。
優良な工務店の中には、こうした世間には出回らない情報を独自のルートで入手し、その上で土地探しまでサポートしてくれる、というところもあります。こうした住宅建築会社の手を借りるのも、賢い土地探しの手段の1つだと言えます。
重視すべきポイント④家の構造
家は、地震などの自然災害が起きたときに大切な家族を守ってくれるものです。阪神淡路大震災などの大地震をきっかけに、耐震が注目されはじめましたが、耐震と一口にいっても、それぞれの施工会社によってその方法や基準は異なります。
家の構造と言っても種類はたくさんあります。最も一般的なのは、木造軸組工法です。間取りや増改築の自由度が高い、柱を軸とした木の家です。木の家では、ツーバイフォー・ツーバイシックス工法や、軽量鉄骨を使用するプレハブ工法などもあります。
どの工法が一番地震に強いかは、一概に言えませんが、工務店で建てるなら、その工務店が耐震に対してどういう考えかたをして、その工法にしているのかは、しっかりと確認して納得したうえで選びましょう。