土地を探す前に確認すること
理想の家の実現は、理想の土地を探し当てるところから始まります。土地は、近隣の様子や交通量、駅やスーパーまでの距離、そして日当たりなど、暮らしのすべてを左右すると言っても過言ではありません。自分たちのライフスタイルに合わせ、何を優先したいのか、条件や価値観など明確化しておきましょう。
住宅・不動産購入サイト「SUUMO」によるアンケートによれば、土地を購入して注文住宅を建てた150世帯が回答する「土地を買うときに重視していたもの・あきらめたもの」は以下の通りです。
土地を買うときに重視していたもの
- 予算 「借り入れできる金額が決まっていた」「費用をできる限り抑えたかった」など、土地購入にかかる予算を始めに決め、予算内で土地を探す人がもっとも多いという結果になりました。割合としては、約4人に1人が予算を最優先しているようです。
- 生活利便 「子どもの校区を変更したくなかった」「自分の通勤や日常の利便性を考慮した」など、通勤や通学、買い物などの便利さを第一に選ぶ人も多いようです。1位の予算と同率1位という結果になりました。
- 広さ 「庭と駐車スペースが欲しかった」「犬を放し飼いにしたかった」など、理想の家を建てるために充分な広さを求め、土地を選ぶ人も、比較的多くいるようです。
土地を買うときにあきらめたもの
- 交通利便 「駅に近い土地は高くて手が出なかった」など、予算との兼ね合いで交通利便をあきらめる人がもっとも多いという結果になっています。中には交通の利便性よりも「自然が多い」などの住環境の良さを優先したという人もいました。
- 広さ 予算、最寄駅からの近さ、時期などにこだわった結果、「ほかに選択の余地がなかった」という人が多いようです。必ずしも希望の広さの土地がタイミングよく売りに出されているとは限らないと言えます。
- 予算 全体の約15%の世帯は、予算オーバーでも他の条件を優先させたという結果になっています。
条件の良い土地はどうしても価格が高くなるため、何を最優先として判断していくのか、あらかじめ家族間で話し合っておくことが大切です。
また、土地を探し始める前に把握しておきたいのがそのエリアの「土地の価格相場」です。相場を把握しておくことで、「面積のわりに価格が高い・安い」という判断ができるようになるため、例えば「高い土地には利便上の好条件が付加されるのでは?」と勘を働かせることができます。
あるいは、土地購入の予算から住みたいエリアを決めることもできるでしょう。住みたいエリアが絞られることで、土地探しはぐっとゴールに近付きます。
土地の探し方4つの方法
「なかなか土地が見つからない」という人の多くは、土地の探し方を間違っている場合があります。こうした事態に陥らないためにも、土地探しを始める前に、効率的な土地の探し方を押さえておきましょう。土地を探す主な方法は、以下の4通りです。
- 希望エリアを歩いて探す
- インターネットで探す
- 飛び込みで不動産業者に行く
- 工務店に直接相談に行く
土地の探し方①希望エリアを歩いて探す
希望のエリア周辺を歩いてみると、「売土地」と書かれた看板の建っている土地や、そうでなくても手入れのされていない空き地が見付かることがあります。
家づくりを依頼する施工業者が決まっている場合はその業者に、そうでない場合は最寄りの不動産業者に、こうした土地の管理者について問い合わせてみましょう。まだどこにも出回っていない掘り出し物を買い付けできるケースもあるかも知れません。
住みたい地域が決まったら、そのエリアの住環境などを体感するためにも、一度周辺を散策してみるのがおすすめです。
土地の探し方②インターネットで探す
インターネットを利用して、不動産会社のホームページなどから売土地の情報を検索することができます。
しかし、こうしたところで見ることができる土地情報は、不動産会社が持っている膨大な土地情報のうちの一部であり、また何週間経っても掲載されているような売れ残った土地もたくさん紹介されているであろうことも理解しておかなければなりません。
より良い土地が欲しければ、複数の不動産業者に問い合わせをして、条件に合うものを探してもらうのがおすすめです。労力はかかりますが、大切な土地探しですから、仕方ないですね。
土地の探し方③飛び込みで不動産業者に行く
不動産業者の営業店舗に直接行って聞いてみると、インターネット上で検索できるような土地の情報はもちろん、不動産会社のホームページに掲載されている土地をはじめ、その他にも似たような土地をいくつか紹介してくれるでしょう。
ただし、土地の広さに対してどのくらいの広さの家が建てられるのかといった家のプランに関することまで想定して相談に乗ってくれる不動産業者はいませんから、地盤のことや家を建てたときの日当たりのことなどは自分たちできちんと確認することが不可欠です。
購入を決める場合、家の設計を依頼する予定の担当者に同行してもらい、その土地の地盤、建ぺい率、容積率などをチェックしてもらうと安心です。
土地の探し方④工務店に直接相談に行く
家の施工を相談したい施工業者が決まっているなら、その依頼先に「家と土地を購入する意思がある」ということを伝え、家の間取りとあわせて土地探しの相談を持ちかけてみるのもひとつの方法です。
不動産業者がいわゆる「囲い込み」と呼ばれる手法で隠し持っている、広告に掲載される前に売れてしまうような良い条件の土地などを、施工業者側に交渉をしてもらうことで、買い付けることができるケースもあります。
また、工務店やハウスメーカーに土地探しを依頼すれば、土地・家・諸費用のトータルで見積もりを立ててくれるため、土地と家にかかる費用のバランスもひと目で分かるので安心、というメリットも得られます。
土地にかかっている規制やルールを理解しよう
土地には、建築基準法によって様々なルールが敷かれています。土地が自分のものになったからといって、どんな建物でも建てていいわけではありません。最低限理解しておかなければならないのは、以下の4つのルールです。
- 斜線規制
- 建ぺい率
- 容積率
- 接道義務
土地にかかっている規制やルール①斜線規制
斜線規制とは、建物の高さ制限のことです。元々ある周辺の住居の前に、いきなり大きな建物が建ってしまうと、せっかくの日当たりが台無しになってしまうことになりますから、そうならないための法律です。街を歩いていると、よく建物の上部が斜めの三角柱のようになっているものがあると思いますが、あれは斜線規制ギリギリまで空間を使うために工夫して建てられた設計です。
土地にかかっている規制やルール②建ぺい率
建ぺい率とは、土地の面積に対して、建築面積がどれくらいまで取れるかの制限です。例えば、建ぺい率60%という制限があれば、土地全体の40%は庭や駐車場にするなどして、家を建ててはいけません。
土地にかかっている規制やルール③容積率
容積率とは、土地の面積に対して、延べ床面積がどれくらいまで取れるかの制限です。例えば容積率100%なら、100㎡の土地に1階・2階合わせて100㎡までの延床面積の家を作ることができます。
土地にかかっている規制やルール④接道義務
接道義務とは、建築基準法で建物が道と2メートル以上接していないといけないというルールです。古い建物だとこのルールに即していない土地もありますので、注意が必要です。このようなルールの指定は、土地の条件としてすべて初めから記載させているはずですから、作りたい家が実現できる土地なのかは、これらのルールからある程度想像することができます。
建築条件付きの土地は対象から外す?
土地には、建築条件付きと建築条件なしのものがあります。建築条件付きとは、その土地に家を建てるときに、もうすでにどこの業者で建てるかが決まっているものを指します。こうすることで、土地の値段を下げて売り出すことができるんです。
でも、こだわりの一軒家を建てるには、業者選びも大切な要素ですから、できれば自由に業者を選べるところがいいですよね。そういうときには、売主との交渉で、建築条件を外してもらえる場合もあります。
その分値段を上げられてしまうかもしれませんが、売主が早く売ってしまいたいと考えている場合などは、交渉の余地ありかもしれません。交渉は時間も根気もいることですが、気に入る土地というのはなかなか出てこないものでもありますから、やってみるといいと思います。
大阪土地探しまとめ
大阪で土地を探すには、かなり密集した住宅地も多いため、建築基準法などのルールの理解が必須です。建てたかった高さの家が建てられないというようなことのないように、その行政地区ならではわのルールを調べてから、購入することにしましょう。